株式会社 国際教育センター
International Education Centre & Co., Ltd.
大英帝国の礎を築いたといわれるエリザベス一世の勅許を受けて、ハロウ校(Harrow School)が創立されたのは1572年。創立以来450年余りの年月を経ています。ハロウ校は私立の全寮制の学校で13歳から18歳までの男子840名が学んでいます。ロンドンの中心から北北西16kmの丘の上に立っており、ロンドンから地下鉄で、ハロウ・オン・ザ・ヒル駅(丘の上のハロウ)まで、約20分。丘の頂にある聖メアリー教会(St.Mary’s Church)の尖塔はハロウを訪れる人々の心を和ませます。
丘の頂上のウィンザー城を見下ろす側にハロウ校で学生時代を過ごしたロマン派の詩人、ジョージ・ゴードン・バイロンのお気に入りの場所があります。腰をおろしてバイロンがそこで何時間も過ごしたというお気に入りの石も保存されています。
ハロウ校のキャンパスは実に広大で、その中には、乳牛80頭を飼っている牧場、湖、9ホールのゴルフコース、他に多くのスポーツの競技場があります。そこでは、冬はラグビー、サッカー、ハロウフットボールができ、夏はクリケットが主として行われています。またキャンパスには競技場と並んで、校舎、ハウスがあります。マスターと呼ばれる先生たちの住まいもあり、生徒と同様、先生方もキャンパス内で生活しています。さらにはオールドスクールというハロウ校創立当初の教室も現存し、今でも使用されています。伝統的なハロウ校の建物は現代的な建物と混在して公道の両脇に沿っており、その道は丘の頂上へと続いています。
ハロウ校の教育方針の基本である「人生への訓練」とは、独立心、協調性、責任感と義務感、リーダーシップの育成、マナーや努力、そして正しい職業倫理観を身につけさせることです。つまり、それぞれの生徒が、政治家、芸術家、実業家、軍の指導者など、自ら選んだ職業の頂点に到達するために必要とされる技術と姿勢を身につけて卒業させることを目標としています。結果として、ケンブリッジ大学やオックスフォード大学を始めとする、世界の一流大学へ生徒を送っており、さらにその後の活躍は多くの卒業生が証明しています。
ハロウ校のカリキュラムでは、午前中に授業を、午後にはクラブ活動や興味のある活動に取り組みます。40分授業が週38コマ。週3回は午後4時半から7時までの授業もあります。学校全体の教師と生徒の割合は1対8.5人で、1クラスも平均14人の少人数です。
授業では、一人ひとりに意見を言わせ、各人にあった宿題を出すなど、それぞれの生徒の興味や気質、能力に合わせた、多方面にわたる全人教育を目指しています。
ハロウ校は、公式な休み以外では週末でも帰宅を許可されない、完全な全寮制の学校です。教科の学習だけでなく、スポーツや芸術など、自分が関心のあることを徹底的に学ぶ機会を与えています。
ハロウ校には12のハウス(寮)があり、それぞれのハウスが独自の雰囲気、伝統を持ちながら、学校全体の運営方針と調和して機能しています。ハウスは、ラグビーや合唱コンクールなど多くのスポーツ及び課外活動を行う単位でもあります。それらを通じて、生徒は、個々人が持つべき大切な価値観や判断の尺度を身につけるのです。
全てのハウスにはハウスマスターが居住し、生徒の親代わりをしています。ハウスマスターは、ハウスに住むチューターやメイトロンと呼ばれる寮母とともに、生徒の個人的な悩みに目を向けながら、学業面の面倒を見ています。
第2次大戦中の首相として英国の栄光を築きあげたと讃えられる、ウィンストン・チャーチル卿をはじめ7人の歴代英国首相、故パンディット・ネルーインド首相、ヨルダンの故フセイン国王、他にも詩人バイロン、「写真撮影の父」であるフォックス・タルボット、劇作家リチャード・シュリダン、元首相でありスコットランド・ヤード(日本でいう警視庁)の創始者ロバート・ピール、郵便ポストの発案者アンソニー・トロロップなど多士済々です。